日本って、薬を使い過ぎなの?
こんにちは!
薬をやめた薬剤師の川上です。
現在、日本の医療費は40兆円を越え、そのうち薬剤費は約10兆円!!
他の国と比較すると、OECD(経済協力開発機構)に加盟している
35カ国で、一人当たりの換算では、日本の医療費は18位、薬剤費は4位。
アメリカがダントツ1位です(『OECD Health Data 2013』より)。
一方、日本では医療費に対する薬剤費の割合は20%を超え、
アメリカの2倍にもなります。
ただ、それぞれの国の景気の違いもあり、薬の値段(薬価)の違い、
医療制度の違い、そして、これらの費用の算出法も微妙に違うので、
国際比較するのだったら、きちんと精査しなければいけません。
また、これらの統計上の数字は発表する側や、利用する側の思惑で、
操作することもできますよね・・・。
日本人は、薬が好きだと言われることもあります。
病院へ行って、「薬をもらわないと安心しない」という患者さんの
心理が、昔は多かったかと思います。
日本は国民皆保険制度のため、自己負担が少ない分、実際の医療費、
薬剤費が高額になっても患者の負担が少なかったところはあります。
それでも、薬の数が多かったり、薬価が高い薬が出されたりすると、
負担が大きくなります。
薬そのものの費用ではありませんが、病院へ行くと薬を処方され、
薬局では薬を調剤してもらいます。
医薬分業を進めるための施策もありますが、病院では処方料、
薬局では調剤料や服薬指導料などがとられてしまいます。
それぞれから技術料がとられるのも、何とかならないかと思います。
高齢の患者さんでは、1日10~20種類の薬を飲むことも少なくありません。
高血圧の薬、糖尿病の薬、痛風の薬、泌尿器の薬、膝の薬、睡眠の薬、
・・・・。それぞれ複数ずつ出されることも。
病気や症状が増えると、新しい薬が増え、治らないと薬の種類や量が増え、
いっぱい出すから、胃の薬も出す。
医師は薬の効能効果のみならず、それぞれの薬の安全性
(副作用、相互作用)、複数の薬によるダメージ(腎臓や肝臓などへの負担)
を精査して処方してもらいたいものです。
医師も、薬剤師も、できるだけ薬を減らす努力をして欲しいです。
患者さんは、薬をもらっておきながら飲まないで、
引き出しにためているのが、一番の無駄なことです・・・。
続きは、また次回に。
では、また!
薬をやめた薬剤師
川上 修一