「ちけん」って何?

2016-04-21

 

こんにちは!

薬をやめた薬剤師の川上です。

 

私は、長いこと医薬品の臨床試験の仕事をしていました。

今日はちょっと難しいお話し。

 

お薬を世の中に出すためには、

長~い、長~い時間がかかります。

 

研究者がお薬の候補の物質を見つけ出し、

試験管レベルで物質の特性などを調べ、

ラットなどの動物を用いて毒性や薬理の実験を経て、

人での臨床試験を行います。

 

そして、医薬品の製造販売の申請、審査、承認を得て、

晴れて新薬として発売されます。

 

この製造販売の申請に必要な、臨床試験を

「治験(ちけん)」と呼びます。

 

治験には、いくつかの種類があります。

まず、少人数での健康成人での臨床試験があります。

特に、安全性や薬物動態(血中濃度や尿中濃度などを測定)

を調べます。

続いて少人数での患者さんでの安全性や有効性を探索的に

検討し、そして、適切な用量を検討します。

更に、比較的多くの患者さんによって、既存の治療薬や

「プラセボ」と比較し、安全性および有効性を検証します。

 

「プラセボ」は、実際のお薬(錠剤やカプセル剤など)と

見かけはまったく一緒で、成分がはいっていないものです。

偽薬(ぎやく)とも言います。

偽薬といっても効果が見られますし、不思議なんです。

その辺のお話しは、また改めて。

 

今から20年以上前までは、治験のことを

「人体実験」と報道されたりもしていました。

「病院と製薬会社が何やってるんだか・・・?」って、

興味本位で書かれていたこともありました。

今のように、厳格なルールが決まっていないので、

問題があったのは事実です。

 

1997年、当時の厚生省令で

「医薬品の臨床試験の実施に関する基準」が定められ、

厳格なルールのもとで実施されるようになりました。

いわゆる、グルーバルなルールを念頭におかれ、

GCPGood Clinical Practice)と呼ばれています。

 

続きはまた次回に!

  

薬をやめた薬剤師

川上 修一

 

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