「プラセボ」って効果があるの?
こんにちは!
薬をやめた薬剤師の川上です。
前回は臨床試験について、
特に、治験(ちけん)のことを書きました。
治験では、プラセボと比較することがあります。
プラセボは、実際のお薬(錠剤やカプセル剤など)と
見かけはまったく一緒で、成分がはいっていないものです。
偽薬(ぎやく)とも言いますが、
ラテン語の「喜ばせる」から由来しているようです。
プラシーボとも言います。
プラセボは効果がないもの、気休めだと、
説明することもありますが・・・、
私はちょっと違うと思っていました。
私が治験の仕事をしていた時、
プラセボと実薬(成分が入っている治験薬)との比較を
何度も担当しました。
「二重盲検」といって、患者さんだけではなく、
医師や薬剤師などの病院関係者、
それに、臨床試験を担当するすべての人たちが、
プラセボか実薬かが、まったくわからないように
臨床試験を行います。
プラセボと実薬との有効性に差が見られず、
その後の開発を断念したケースもありました。
痛みをとる薬とか、精神症状に関係する薬の場合では、
プラセボでも有効率が高くなる傾向がありました。
今は違うと思いますが、昔は、都市部に比べて田舎の方が
プラセボの効果が高い傾向があったように感じていました。
それに、治験を担当する医師によっては、プラセボでも
効果が高い場合がありました。
その逆で、内緒の話し・・・、医師によっては、
実薬でもあまり効果がない場合も・・・。
医師と患者さんとの信頼関係が大事ですよね。
「この医者は、やぶなんだよ!」って言う患者さんは、
たぶん効果も出にくいでしょう・・・。
人間は、もともと治癒する力を持っています。
薬の力に頼らないで治癒する力が、自然治癒力です。
効くと信じる力が大事だとも言えます。
もちろん、信じる力だけではありませんが、
信じる力は偉大です!
続きはまた次回に!
薬をやめた薬剤師
川上 修一